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世界に類をみない豪雪地帯のワイン産地 2月の葡萄農園

北海道ワインの自社農場のある空知支庁、たくさんの契約栽培ぶどう園がある後志(しりべし)支庁はともに、北海道のなかでも格段に降雪が多く、根雪は11月下旬から4月までも及びます。 世界中を見渡しても、これほどに雪が多いワイン産地はほかにないと言えます。北海道は日本で唯一の夏乾燥性気候にあり、ヨーロッパ系ぶどう品種の大規模栽培に最適ですが、冬には雪の重みでぶどう樹が折られたり、雪のないところでは剥き出しのぶどう樹が凍害にあったりしてしまいます。 このように、寒冷地でのぶどう栽培は、大変な困難のうえに成り立たせなくてはいけません。それでも、雪の多いエリアにぶどう畑を拓いてきた北海道ワインでは創設当時から、ぶどうの越冬に独自の工夫をしてきました。 今回の「私達のワインづくり」はその原点である、豪雪地帯のぶどう園の越冬風景をご紹介します。 レポート作成は本社営農部です。

1.2月の葡萄農園(余市町)

昨年12月から降り積もった雪は現在160cmとなり、人の背丈ほどの積雪量となりました。例年になく大雪となっています。現在ワイン専用品種葡萄園は支柱の上部がわずかに見える程度で、葡萄の木は雪の中に埋もれています。

しかし、この雪はワイン専用品種の葡萄にとって大切な要素となっており、冬の寒さから守ってくれる役割を果たします。これは雪が少ないまま最低気温が−10℃を下回る日が続き、葡萄の枝が外気にあたっていると“凍害”(芽が出ず枯れてしまう症状)になり翌春の生育に大きな影響を与えるためです。葡萄の木は雪の中に埋まることで外気に左右されなく0℃〜−3℃前後で、雪布団にくるまれるようにして越冬することができます。

このために垣根式栽培では、ぶどうの植付け角度を斜めにすることが北海道独自の工夫となりました。ぶどうの樹は斜めに角度を付けて植えられ、秋の収穫後に剪定を終えた樹は垣根から外されて地面に寝かされた状態となり、厳寒期を迎える前にその上に雪が積ります。
北海道ワインに導入されているレーザー誘導式の自動植付け機は、ぶどうの苗木をこの角度で植付けができる、おそらく世界で唯一の機能を備える改良がされています。

ぶどう園の積雪風景

同じぶどう園の夏風景

一方、生食用葡萄園はこの大雪が多大な被害をもたらしそうです。ナイヤガラなどのアメリカ原産種は耐寒性が強く、北海道にあっても棚作りで栽培しています。しかし、棚よりも積雪があると雪の重さで棚全体の崩壊や針金の切断、枝折れする恐れがあります。 ナイヤガラ・キャンベルアーリ・デラウエア等の主産地である余市町・仁木町では、山間部の一部の地域で葡萄棚を超える積雪となり被害が心配されています。

ぶどう樹を雪の下に寝かせる状態

ぶどう樹は根本から斜めに植える

山間部のぶどう畑では
大雪のため雪に覆われている棚もある

 

3.2月の作業

北海道ワインの垣根式栽培では、地上60cmのところから180cmまでのあいだ高さ40cmごとに、4本の針金を張りますが、主に余市町の畑では剪定が終わったあとに1番下の架線以外は垣根の最上部にまとめます。しかし、それらの架線が垣根に結ばれている両端の部分が雪の重さで引っ張られ、切断されない様に除雪作業が必要です。

雪のなかに埋まった架線を掘り出す作業は、雪の中の移動が大変なだけではなく高さもあることから、余市町の藤本農園では写真のように重機を用いて除雪を行っています。

山間部雪の重みによる切断を防ぐため

架線を結ぶ支柱上部を除雪する

*葡萄作りの匠 藤本毅バッカス(白/中口)、葡萄作りの匠 藤本毅レンベルガー(赤/ミディアム)は、北海道ワイン取扱店および北海道ワイン(株)「おたるワインギャラリー」、ホームページ内「ワインショップ」から購入することができます。