ワインストーリーズ
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2005鶴沼アイスワイン ケルナー


アイスワインはドイツ、オーストリー、カナダなど寒冷なワイン産地でのみつくられている極甘口ワインです。収穫の大変さに加えて、凍ったままのブドウを手作業で搾り、一冬かけても緩慢にしか進まない発酵など、アイスワインをつくるには大変な手間と時間が費やされます。アイスワインはまるでブランド品のように女性からの人気が高く、甘口の最高級ワインとして広く認知されています。

日本では、北海道の冬の寒さでアイスワインをつくることができると思われがちですが、その実現には情熱とさらなる知恵を必要としました。

世界のワイン産地のなかで、冬の積雪が北海道の特色といえます。雪の少ない場所では、ほとんどブドウ栽培が行われていません。これはブドウの樹はマイナス15℃以下になると凍害にあってしまうためで、こうした地域では耐寒性の強い交配種や山葡萄系の栽培が行われます。
ヨーロッパ系品種のブドウ栽培は、当社の鶴沼農場をはじめ雪の降る空知、後志地方で行われています。雪のなかは外気温よりも暖かく凍結を防ぐことから、ブドウの垣根はすっぽりと雪の下に埋まることで越冬を可能とする一方で、ブドウを樹上にならせたまま凍結させることは不可能でした。

このため、何度も雪かきをして根雪に埋もれる直前にブドウを収穫し、雪のあたらない場所で外気にあてて陰干しをしながら凍結を待つという、時間も手間も従来の倍かかる方法でのアイスワインづくりが2005年に初めて考案されました。
収穫されたケルナーは陰干しによって凍結と溶解を繰り返し、水分が減少していくこと1ヶ月以上。この間だけで、収穫時の重量からおよそ35%が目減りしました。
そして、-6℃以下の気温が続いた1月10日になって、自然に凍ったままのブドウを搾ると、水分は凍ったまま、糖分の雫だけを集めることができましたが、その搾汁量は8kgのブドウを使ってもフルボトル1本にも満たない僅かなものでした。

まさにケルナーのエッセンスともいえるこの果汁は、粘性と糖度が極めて高いため真冬には発酵がほとんど進まず、ようやくアルコール発酵が終わったのは、ゴールデンウィーク近くになってのこと。その後482本が手作業で瓶詰めされました。
その味わいは、濃厚でありながら、純粋で軽やかなフルーティーさがあり、良質のオリーブオイルのような滑らかさ。これまで口にしたことのないような香りと味わいは、このアイスワインをつくるための陰干しと自然凍結が生み出した独自のものだといえます。

「2005年 鶴沼アイスワイン ケルナー」は残り本数が少なくなってしまいましたが、当社初のアイスワインとして、話題だけではなく品質の確かさに自信を持っておすすめします。

販売を終了しました。