1970年代、道内に増えつづける耕作放棄地を黙って見過ごすことができなかった。
そこでワイン用のぶどうを栽培して北海道の農業を復興させようと決意した。
放置されていた水田予定地をなんとか手に入れたが粘土質の水はけの悪い土壌だった。
しかも、豪雪地帯でワイン用のぶどうなんて育つわけがないと専門家に見放された。
失敗がつづくと、どうせすぐつぶれるからと世間に揶揄された。
それでも、輸入原料には一切頼らずに、国産ぶどうだけの生ワイン造りに取り組んできた。
そして今、自社直轄農場の鶴沼ワイナリーは日本で最も大きな垣根式ぶどう畑に成長し、北海道ワイン本社醸造所は日本でいちばん日本ワインを生産するワイナリーになった。
20世紀末、日本中が赤ワインブームに沸き、ぶどうは異常な高値で取引された。
「ぶどうをどんどん作ってくれ!」というメーカーの要請で、農家はほかの果物の栽培を縮小してまでワイン用のぶどうを苗から増やしていった。
ところが3年後、ようやく収穫できるようになった頃。
ワインブームに陰りが見え始め、収穫された大量のぶどうが農家のもとに残った。
引き取り手は日本中どこにもなかった。
「なんとか、ぶどうを引き取ってもらえないだろうか」。
私たちのもとに多くの農家が訪ねてきた。
私たちもブームを見込んで収穫量を増やしていたことから、すでに飽和状態だった。
しかし思い悩んだ末、引き取る決断をした。
日本全国から日本酒用の中古タンクをかき集め、不眠不休で仕込みを続けた。
結局この年に仕込んだワインを完売するまで3年かかった。
しかし私たちは思いもしなかった大きな収穫を得た。
この出来事をきっかけに、多くの農家の方々が私たちと取引をしたいと申し出てくれるようになった。
最大の危機が強い絆を結んでくれたのだ。
日本ワインという言葉が生まれる前から、国産のぶどうだけを使ってワインを造りつづけてきた。
生ぶどうだけを使用し、非加熱の生ワインにこだわってきた。
ぶどうの個性を尊重し、持ち味の違いを感じていただくことが、ワインの楽しみのひとつだと信じてきた。
品評会で賞をとることだけを目的にワイン造りをしたことはなかった。
プレミアムワインよりもテーブルワインを造りたかった。
スーパーで夕飯の材料といっしょに買って、毎日の食卓で気軽に飲んでいただける身近なワインを目指してきた。
身の丈にあった自分たちのやり方を愚直に守ってきた。
そんな想いが私たちの醸造所に生きている。
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