【環境への取り組みレポート】植えて、育てて、活かす。鶴沼ワイナリーで3,480本のカラマツを植樹― カーボンニュートラルから、その先へ ―
2025年5月9日、北海道ワイン株式会社は、直轄農場「鶴沼ワイナリー」(北海道浦臼町)にて、人工林伐採跡地約1.74ヘクタールに、カラマツ3,480本の植樹を行いました。
本取り組みは、弊社が推進するカーボンニュートラル実現に向けた中長期的施策の一環として実施したもので、これまで進めてきた再生可能エネルギーの導入(太陽光発電・地中熱利用)や環境配慮型農業と並行して進めているものです。今回植樹した面積が成木になった際には、年間約30~50トンの二酸化炭素の吸収が予測されます。
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ブドウ畑は、CO₂を吸収する“緑の醸造所”
ワインの醸造過程ではCO₂が発生しますが、同時にブドウ畑では光合成によってCO₂が吸収されています。その土地でブドウを育て、ワインをつくるという営みは、移動による環境負荷も最小限に抑え、自然の循環に寄り添った、環境にやさしい方法といえます。
さらにその先へ:カーボン“マイナス”を目指して
今回植樹されたカラマツは、成長過程で多くのCO₂を吸収するだけでなく、将来的には建材等としての価値もあります。5年後には間伐を予定しておりますが、その際の木材は、鶴沼ワイナリーや後志ヴィンヤードのブドウ棚を支える柱材として活用も視野に入れています。
このように、「植えて終わり」ではなく、「育て、活かす」ことまで見据えた資源循環型の農場経営を、私たちはこれからも追求してまいります。

伐採された人工林。半世紀前、鶴沼ワイナリーが鍬を入れた開墾の原風景が、ここに重なります。
なお、今回の植樹にあたっては、そらち森林組合様のご協力を賜りました。



当日は、浦臼町石原副町長様、そらち森林組合鈴井組合長様にご出席いただきました。(写真中央:左から、石原副町長様・弊社代表嶌村・鈴井組合長様)
また、森林組合様のご指導のもと当日の参加者全員で植樹をいたしました。
今後に向けて
北海道ワインは、創業以来、「地域とともにあるワインづくり」を信条として歩んでまいりました。
その原点ともいえる鶴沼の地で、いま私たちは、風景を守り、次の世代へつなぐ森を育て始めています。
ワインは農産物であり、そして文化です。自然の恵みに感謝し、その恩恵を次代へ手渡していくことは、ワインづくりを超えた、私たちのもうひとつの使命でもあります。また、写真に写る鍬のひと振りは、50年前に荒れた地に希望を植えた、先人たちの挑戦の記憶と重なります。かつての開墾を疑似体験した今、私たちはあらためて、ゆるぎない使命を胸に刻みました。
一本の苗木から始まる森のように、小さな一歩を積み重ねながら、これからも北海道の大地とともに、サステイナブルなワインづくりを進めてまいります。

(記事:広報)